大隅君は持っていたカバンを ひょいと投げ置き ぐいっと私の肩に手を置いた。 「ひゃっ…!」 「顔、上に向けて…。」 大隅君が耳元でささやく。 あたたかい息を私の耳が 感じる。 言われた通りにゆっくりと 上を向くとすぐそこに 大隅君の顔。 1番初めに逢った時は 印象が悪すぎてかっこよくない、 なんて思ってたけど やっぱり俳優さんだ。 鼻筋が通っていて目だって 大きくて、でもキリッとしている。 だから今、 かっこいい… そう純粋に思った。