体育の後は、命令はなかった。
琉は友達と休み時間、楽しそうにしてた。
でも
学校はまだまだ軽いのかも。
問題は家だし。
琉とは席が離れてる。
だから
学校ではあまり話さない。
命令とかない限り、学校では。
――体育の後は授業も休み時間も掃除も平和に終わった。
だけど
―――放課後…。
「瑞穂、帰るぞ。」
「あ、じゃあね!」
私は琉と帰る。
家も同じなんてね…
琉のえらそうな態度は家で悪化する。
私と琉は並んで歩いて帰る。
「琉様、瑞穂さんお乗り下さいませ。」
「おう。」
校門の前には運転手さんが待っていた。
帰りも車だし。
目立つかな…学校では。
琉が先に車に乗ると私も後から乗る。
席は後ろ。
私が乗ると車は動き出した。
「あー…疲れたよ!川端。」
琉は運転手さんに言う。
「明日は学校休みですし。ゆっくりお休み下さい。」
運転手さんの川端さんは笑って言う。
あー…眠いなぁ…
すると
「おい瑞穂、命令だ。」
げっ……
私は琉を見る。
「帰ったら俺の部屋の掃除と俺だけの俺が気に入る食事用意しろ。」
「えっ!?」
何その要望…
「拒否権はお前にないから。」
「はい…」
明日休みだけど
休みの日はとくに琉はすごい。
私を使いまくる。
今日も使うのかぁ…
すると
「琉様、食事は他の者がいつも…」
川端さんが琉に言う。
だけど
「俺の食事だけ瑞穂に作らす。」
「えーっ……」
「ま、よろしくな。」
琉は笑って言う。
なんて勝手な…


