幼なじみはご主人様!?









「瑞穂〜お疲れ様!」


「疲れたよ〜」


――私は走り終えると友達の所に戻る。


「ほら、瑞穂のご主人様はもう走る気満々だよ?」


「えっ?」


友達に言われ、私はスタート地点の方を見る。


琉は準備体操をしてる。


琉…


琉は黙ってると良いんだよね。


話すときついけど…


みんなが琉を見て騒ぐのはわかる。


俺様王子な琉。


私にとって


琉はなんなんだろ。


本当に。



「琉〜頑張ろうな!」


………あ…


拓君が琉に言う。


「ふん。俺がクラスで一番速いんだ。拓に負けるかよ?」


わぁ……


やっぱり琉は琉だね。


自信過剰。



でも



琉は…









「……スタート!」



後半組が走り始めると私は琉を見る。


さすが…


クラスで琉は一番速い。


運動神経いいよね…


「きゃあ…琉君かっこいい!」


「琉君頑張って〜」


琉ファンだ…



琉はすごいよね。


勉強もスポーツもできちゃう。


だけど


それを自慢して来るのがむかつくかな。



まぁ…



頑張る琉はいいなぁと思うけど。



つい私は琉に見とれてた。










だけど


「おい!命令だ。タオルとお茶!」



げっ……


走り終わった琉はむかつく琉に…



「はい。」


私はタオルを琉に渡す。


すると


「拭けよ?お前が。」


えっ……


私は琉の顔を拭く。


汗かいてるなぁ…結構。



だけど


…ドキンドキン


琉の顔が近い。


タオルで拭き終えると私は離れる。


「瑞穂?」


「お茶くらいは自分で飲んで。」


私はお茶の入った水筒を琉に渡すと友達の所に戻った。


琉になんかドキドキしたくないのに…