意外。
「琉が観覧車なんて…」
「なんだよ。休むんだよ。」
「そう…」
「行くぞ。観覧車乗ったら帰宅!!」
「えっ……」
観覧車乗ったら帰宅?
「母さんが帰る。」
「……お、奥様が?」
「ああ。だから早く帰れと田中さんからメールが。」
「田中さんって奥様のお付きの…」
「そうだ。俺に用あるんだとか。」
「そっか…」
「寂しいか?」
「なっ…何言って…」
私が言うと琉は笑う。
「行くぞ。」
「う、うん。」
琉は私の手を握ったまま。
あ…
「琉、もう手は握らなくていいんじゃない?」
私は琉に言う。
「あ、ああ。そうだったな。」
琉は私の手を離した。
あれ?
なんか
寂しい…。
「瑞穂、早く行くぞ?」
「あ、うん!」
私は琉と一緒に観覧車のある場所へ向かった。
琉に今日はいっぱいドキドキした。
むかついて泣かされて笑わせて…
今日は喜怒哀楽全部使った気がする。
琉の隣は居心地が悪い場所ではない。
なんでだろ。
琉が嫌じゃない…。
「どうぞ〜」
「お、観覧車はすぐ乗れそうだな。」
私と琉は列に並ぶ。
「うん。」
「瑞穂高いのは平気?」
「大丈夫だよ〜」
琉は笑う。
「全く。お前は今日泣きすぎ。」
「全部琉がいけないんだよ!!」
私は言い返す。
「でも、いいや。罰はなし。ご褒美やるよ。」
「本当に?」
「ああ。」
「琉のご褒美ってなんか怖いなぁ。」
「なんだよ!!」
でも
なんか楽しみかも。
「今日楽しかったよ、琉。色々あったけど。」
私は笑って琉に言う。
「俺も。」
琉も笑って言った。
今日はやな日じゃなかった。


