「わ、並んでる…。」


私と琉は列に並ぶ。


「いっぱい並んでようと行くと決めたら行くし。」


「え……」


おばけ屋敷怖いよ!


琉どんだけホラー好き?


映画もホラーだったのに。


「またびくびくしてる。」


「仕方ないもん。怖いし。」


「瑞穂置いてっちゃおうかな。おばけ屋敷に。」


「や、やだぁ…」


「瑞穂の弱虫。」


「琉はいいな。怖いものなし。」


「あはは。俺は強いからな。」


「確かにね。」


「強くないとよ、男じゃねぇだろ?」


「へ?」


私は琉を見る。


「瑞穂はMとSどっちが良い?」


「はい?」


琉…何聞いて…


「弱虫な男と俺みたいに意地悪だけど強い男。」


「なっ…」


弱虫は嫌だ。

私が弱虫だから。


でも…


Sって言ったら琉が好みになっちゃうよ。


だけど


「Sかな?でも琉は…」


「俺はだめ?」


琉は私を真っ直ぐに見つめる。


……え…


「俺、瑞穂を惚れさせられるよ?本気出せば絶対。」


「今は本気じゃないの?」


「うん。今はご主人様モード。」


「え…」


「俺が男って意識させてやろうか?」


琉は私の髪をいじりながら言う。


………っ…


琉の笑顔やばい…


危険。


なんでドキドキするかな…私。


琉に惚れたら負けなのに…


琉にこれ以上振り回されたら私…。


「困ってる。」


琉は笑って言う。


琉は本当におかしいよ。


私をどう思ってんのかな?



「俺に惚れたら瑞穂大変だな。」


「ほ、惚れない。」


「本当に?」


「ほ、本当に…。」


「ふーん。」


琉はにやっと笑い私を見る。


何か企んでる?


でも


もうすでに私は琉を…?


わかんない。


好き?嫌?の繰り返し。


花占いみたいな私の気持ち。