「琉のバカ…」
「えっ…」
私が言うと奈美こと親友の塚原奈美が私を見る。
「あ、ごめん!まだイライラが。」
――私は琉に言われた通り、奈美ら友達が集まる所に戻った。
「瑞穂、マジ琉君が好きなんだ〜」
「は?ありえない!最低だもん!」
ありえないありえない…
でも
頭に浮かぶのはにやっと笑う琉。
うっ…
頭の中まで琉に振り回されたらおしまいだよ!
琉といない時は忘れなきゃ…
「でも、琉君の事ばっか考えてたり?」
「なっ…違うよ!」
琉にだけは絶対惚れたくない!
だって
琉が彼氏と想像したら怖いし。
「瑞穂、顔赤い。」
「これはイライラして!」
あー…
琉から抜け出したい。
アリ地獄っちゅーか琉地獄にだけははまりたくなかった。
「つかさぁ、こないだの合コンのメンバー…微妙じゃなかった?」
「わかる!やっぱ次のF高との合コンに期待しなきゃね〜」
―友達はそんな話をしてた。
合コンか。
友達には彼氏がいる子もいればいなくて合コンで探す子とかさまざま。
まぁ、みんな恋したい…恋してるんだよね。
高校一年にもなればね。
恋かぁ…
私も彼氏が欲しいなぁ…
だけど
頭に浮かぶのはむかつく琉の顔。
琉は私をなかなか自由にしないからね。
さっき琉が言ってた言葉を思い出せばむかつく。
琉がいる限り、私は恋できないの!?
はぁぁ…
自由まであと何年かな。
「二限目は日本史、三限目は体育か〜瑞穂、着替える?」
「あ、うん!」
体育…
げっ…
私は奈美と着替えに教室を出た。
体育といえば
またまた琉の命令だが始まるよ〜


