琉は意地悪だ。
私がびびるの知ってて選んだの?
「高校生二枚。」
琉はチケットを買ってくれた。
うっ…マジなんだ。
「瑞穂、なんか食う?」
チケットを買うと琉が私に言う。
「いい…」
「ジュースは?」
「いいよ。」
「じゃ、俺は買って来るな。」
琉はそう言うと売店に向かった。
あー…絶対見れない!
音だけでも怖い!
暑いから涼めていいかもだけどさ!
琉〜っ…
琉がジュースを買うと二人で劇場に向かう。
なんか瞳潤んできたかも…
「瑞穂、怖い?」
琉が私に聞く。
「見ててわかるでしょ?琉のバカァ…」
「ふっ…俺は全然平気。」
「琉は男だもん。」
私が言うと琉は笑う。
琉ひどいよ…
私は怖がりなのにぃ〜
「席、前の方だからな。」
「え……」
「大丈夫、大丈夫。」
「琉!」
琉は悪魔だ…
うぅ…意地悪男め。
琉は笑ってられるからうらやましい。
本当に本当に怖いよ!
「ここだな。」
琉と私は席につく。
だけど
た、確かに…
近い。
前の方だ…。
「瑞穂びびりすぎ。まだ始まってないよ?」
「うっ…」
だ、だって
怖いし。
琉にはわからないよ。
怖いものなしの琉には…。
「大丈夫、大丈夫。夜、怖くなったら俺が瑞穂の部屋行ってやってもいいよ。」
「だ、大丈夫だもん!」
琉のバカ…。
劇場の中が真っ暗になると私はさらにドキドキ。
あー…怖い。
予告を見てもいつ始まるかわからないから不安なまま。
琉はそんな私を見て笑ってた。
琉は本当に意地悪!!


