「琉のバカ…」
「一生俺に振り回されてろ。」
…むかー…
「いいもん。大学卒業して仕事見つけたら琉から解放されるもん。」
「へぇ…」
琉はそう言うとにやっと笑う。
―ドキッ…
な、何?
またドキッとした…
ありえない!
琉なんかに琉なんかに…
琉は私をコントロールできるから。
ずるいよ。
意地悪ばっか。
昔っから変わらないんだ琉は。
幼稚園の時なんか…
『おい!まてよミズホ!オレのめいれいきけよ〜』
『リュウくんはいじわるだからイヤだ〜』
今は泣かないけど昔は意地悪されて泣いてたっけ。
『こら、琉君!瑞穂ちゃんに優しくしなさい?』
琉はよく先生に怒られてた。
『オレはやさしいよ!このようちえんでいちばん!』
『うそだぁ!』
『うっせ〜ミズホ!』
〈ポカッ〉
『うー…いたいよ〜せんせぇ、リュウくんがわたしをたたいた!』
琉にたまに軽く叩かれて泣いたり…
琉は小さい頃から変わらない。
どうしたらこんなやつになるんだろ。
小さい頃は普通可愛いはずなのに…
小さい頃から変わらないまま成長した琉。
琉とは長いよ付き合いが。
12年なんて…
出会いは幼稚園で。
いきなり琉の標的にされ、意地悪された。
でも
長くいるうちに慣れた。
今の扱いは更にやばい気がしますが…
「瑞穂、友達の所行っていいぞ?今、用ないから。」
「はいはい。」
私は友達の所に向かう。
自己中だなぁ…
なんであんな意地悪なんだろ。
私に意地悪なんだ。
昔からずっと。
琉は私をどう思ってるのかな?
琉にとって私は奴隷みたいな?
あー…振り回されまくり。
でも
おかしいんだ。
琉にドキドキしたりする。
むかつくのに…
琉は
私にとってどういう存在なのかな。


