「へぇ…こんななんだ。」


琉は近くのゲームセンターに入ると言う。


私は友達と遊べる時はプリクラ撮りに行くけど…


琉に振り回されまくりでゲームセンターは久しぶり。


遊ぶのは琉が許さないんだよね。



琉が拓君と遊ぶ時とかしか私は友達と遊べないし。


でも今日は


琉と…。



なんか変な感じ。


琉にゲーセンも。


「瑞穂、あれ?UFOキャッチャーって。」


琉はUFOキャッチャーを指さして私に聞く。


「あー…うん。」


「やろうぜ。」


琉は笑ってそう言うとUFOキャッチャーのある場所に向かう。


そうだよね。


琉はあんなんだけど…


一応16才の高校生…。


子供なんだよね。



「瑞穂、早く来い!」


「あ、はーい…」」



琉はUFOキャッチャーを見つめてる。



琉は


本当にお坊ちゃまなんだね。


見るものみんな珍しいのかも。



私達には当たり前でも…



お坊ちゃまであまり外出させてもらえなかった琉には


珍しい事なんだ。



「これが縦に動くボタンでこれが横に動くボタンか。よし。」


琉は私が来ると二百円を入れ始めた。


なんかおかしいかも。


琉はじっとクレーンを見つめ、クレーンを動かす。


縦…横。


移動が終わればクレーンは


降りてうさぎのぬいぐるみを取ろうとする。


だけど


「くそっ…だめか。つか、こんなんで二百円とるとかよ…」



だめだった。


琉は悔しそう。


「おい、もう一回やるぞ?」


「琉〜私が取ろうか?そんなにぬいぐるみが欲しい?」


「いや、ただ取ってみたいだけ。負けるのは嫌なんで。」


「そ、そう…」


そうだ…


琉は極度の負けず嫌いなんだった。


諦め悪いんだよね。


「くそっ…絶対取ってやる!」



私はそんな琉を見て笑う。


琉、子供みたい…。