――旅行が終わり家に戻る。
出て行く用意しなきゃだ。
本当は離れたくない。
でも
時には我慢も大切で…。
琉はあれから私の涙の理由をなぜか聞かない。
なんでだろ。
私は家に帰ると部屋で出て行く用意をする。
「よし。服の整理完了。」
私は段ボールに服を入れるとガムテープで閉じ言う。
「あと…」
私は携帯を開く。
電話しよう。
久しぶりにあの人と話そう。
「あ、もしもし?拓君…?」
『あ、瑞穂ちゃん!!』
拓君の明るい声が電話から響く。
「あのね、話あるの。」
『え…?』
拓君にはちゃんと言わなきゃ。
「私ね、家出てく。転校するの…」
『……え……?』
「琉には内緒だから…」
『なんで?』
急に拓君の声が冷たくなる。
「えっ…?」
『琉と別れたいのかよ?なんで行くんだよ?』
「違う。琉とは別れない。琉のために離れなきゃなの。」
『琉のため…?』
「これは私達の問題だから拓君は心配しないで。」
『なんだよそれ。瑞穂ちゃんはそれで辛いだろ?なんでそんな事すんだよ。』
拓君は強い口調で話す。
「好きだから離れるべきって事もあるんだよ…。」
別れるわけじゃない。
『最後まで瑞穂ちゃんは琉なんだな。』
拓君は寂しそうに言う。
「ごめん。私の好きなのは琉だから。拓君の気持ち嬉しかったけど。好きになれなくてごめんなさい…」
『もういいよ…。』
「……えっ?」
『いつ行くの?』
「明日の夕方。今日中に荷物まとめる。琉疲れて寝てるから命令ないと思うし。」
『そう。でも本当に琉に言わないで行くの?』
拓君は私に聞く。
「うん…。」
『大丈夫だよ。瑞穂ちゃんと琉なら。離れてる距離や時間なんか関係ない。俺、負けたわ。正直二人に。』
「拓君…。」
『頑張れ。』
拓君は辛いのに優しいんだね。


