幼なじみはご主人様!?



琉の事はよくわからない。

何考えてるのかが。


なんであんななのかが。


でも




―――小学四年夏。



『………ック…ヒック…』


家の中に一人で黒いワンピースを着た幼い私。



両親が亡くなり、告別式などが終わりやっと落ち着いた私は家に一人でいた。



これからどうしようかという不安と…


両親がいなくなった寂しさ辛さ…



私は人前では泣かなかった。


告別式でもなんだろうと。


隠れて泣いてた。


ただショックだった。


両親が亡くなったと聞いた時には。


両親の変わり果てた姿を見た時には。



一人ぼっちだ…


怖い怖い…


私はどうなるの?


そんな気持ちで…



だけど


『おい!バカ瑞穂。』



琉だけは私が無理してたのに気付き一人で家に来た。



『琉…帰ってよぅ。』



私は琉に泣いている姿を見せないよう琉に背中を向けて言った。


だけど


『わざわざ来てやったんだからな!』



琉は私の目の前に来た。


『琉…』


『泣き顔ブス。』


『……っ……』



『怒れよ?』


『もうほっといて…』


『嫌。瑞穂一人にさせるの不安だ。俺と来い。』


『えっ……』


『俺、瑞穂の笑顔が見たい。だから俺が元気にさせる。』


『琉?』


『俺の家行こう?一緒にいたい。』


一緒にいたい…


その意味が私にはよくわからなかった。



だけど


琉は


私の隣にいた。


命令大好きで意地悪だけど


琉のあの言葉は


嘘じゃないのかも。


むかつくけど


笑顔がないわけじゃないよ。


なんか


辛くない。


あの日から…


ずっと


琉の近くに私はいる。


それって


幸せなのか辛いのかわからない。

琉が好きか嫌かわからないなぁ。

まるで花びらの数により変わる花占いみたいだ。