「拓君…?」
拓君と入ったのは図書室。
私達の他に誰もいないみたい。
「瑞穂ちゃん、これ。」
拓君は制服のポケットから小さな紙袋を出し私に渡す。
「えっ?」
「今日…誕生日だよね。」
「あー…うん。でもこれ…」
「開けて?」
私は拓君に言われとりあえず開けてみる。
なんだろ…
〈カサッ〉
………あ……
中から出て来たのは可愛らしいくまのマスコット。
「う、受け取れないよ。」
私は拓君に返そうとする。
だけど
「もらって?」
「拓君…」
「俺の気持ちだから。迷惑かもしれないけど…」
「拓君…」
「俺、諦められないから。琉とどうなろうと関係ない。頑張るし。」
「拓君…」
「じゃ。」
「あ…」
拓君は図書室を出ていった。
どうしよう…
これ。
私はマスコットを見つめる。
可愛いけど…
琉が知ったら怒るよね。
拓君からなんて。
言わなければいいんだけど。
でもこれ
どう使えば…
私はマスコットを見つめながら図書室を出る。
うーん…うーん…
捨てるのも嫌だし返してもあれだし。
だめだぁ。
まあ
琉にばれなきゃ大丈…
「可愛いな、そのマスコット。」
………えっ……
私はマスコットから目を離し声のする方を見た。
「り、琉…なんで…」
隣のクラスじゃ…
「残念。お前と拓見たからついてきちゃった。」
「た、拓君は?」
「隠れたから会わなかったよ。でもさっきまで見てた。」
「えっ……」
り、琉…。
「あいつもしつこいな。」
琉はそう言うと私に近づく。
「彼氏いる女にプレゼントなんてな。」
「琉…あの…これ…」
「どうする?それ。捨てれば?」
「そ、そんな事…」
できるわけがない…。


