「……おい、これ…」
――リビング。
仕方なく琉にそれを出すしかなかった私。
「ごめん…料理久しぶりで。最悪だぁ…」
俺が気に入る俺だけの料理を作れと琉は言ったけど…
「バカか?お前。こんなの食えるとでも?」
予想通り…
「琉のバカ。料理久しぶりなんだもん…」
「でもなぁ…」
最悪だよ…
作り直しとか無理…
私が全部食べるしか…
「こんなの作れるのはある意味すごいな。お前くらい?」
意地悪琉…
文句ばっか…
こんなんでも琉のために…
琉は絶対口に入れない。
「………バカ…琉なんか大嫌い。」
私は涙目で琉を見つめる。
「頼んだ俺が悪かったな。つか、そんな顔すんなよ?」
「琉がそうさせんじゃん…」
「全く。瑞穂はしょうがねぇやつ。」
「ごめんなさい!」
「でも…」
琉は私のカレーを口に入れた。
………あ…
「でも食べてやるよ。捨てるのもったいないしよ。…うっ…やば…」
やばとか言いながらも琉は食べる。
琉は
完璧な嫌なやつじゃなかった。
文句言われるときついけど…
「私も食べる!」
私は琉の隣に座る。
だけど
「うっ…やばい味…」
食べるとやばい。
「お前、料理学校行け。」
「は?」
「こんなんなら嫁行けないな!誰ももらわないよな〜」
「ふん。琉のバカ。」
でも
琉は文句をぶつぶつ言いながら頑張って食べてた。
琉に優しさは何パーセント残ってるのかな?
たまに見せる優しさにドキッとする。
だけど
普段はほとんど意地悪なやなやつ。
琉がわからない。
琉も私もお互い幼なじみ…
ご主人様と奴隷みたいな関係なんだよね?
たまに
わからなくなる…


