琉とき、き、
キス以上なんて!!
絶対ありえない。
無理無理。
我慢が世界一嫌いな琉だけど絶対させるもんか。
だってまだ不安。
ドキドキ。
「俺だって男だ。下着とか見て何も感じないわけがない!」
「見る琉がいけないの!見ないでって言ったのに〜。」
「見るなと言われたら見たくなるだろ普通。」
「私はやだよ!」
また二人で言い争い。
拒否る私と我慢できない琉。
「命令と言ったら?」
「喜美子さんに言い付けるから大丈夫だもん!」
「なんだよそれー。」
「まだ私は無理無理!」
「瑞穂〜。」
琉には悪いけど時間かかるのかなぁ。
大丈夫になるまで。
「琉、我慢しなきゃだめだよ。」
「我慢は世界一嫌いなのに…」
「他の命令はなんでも聞くから。それだけはお願い。」
私は手を合わせて琉に頼む。
「そんなに嫌かよ?」
「不安なんだもん。琉にはわからないかもしれないけど。」
「はぁ?」
「とにかく待ってて。」
私は琉を真っ直ぐ見つめて言う。
大丈夫になる事はあるのかなぁ。
琉の気持ちに応えたいけど不安でドキドキで。
そんな気持ちじゃだめな気がするの。
やっぱりまだなんだよ。
でも…。
すると
――ギュッ。
琉は私の手を握る。
「わかった。でも覚えてろ。俺は瑞穂が好きだから瑞穂にそんな事言ってんだ。瑞穂が俺だけのだって自覚したいから。」
「琉…。」
「拓に言われてから独占欲強くなってよ。瑞穂が小さい頃からずっと好きで離したくない気持ちは誰よりも強いから。」
「琉…。」
「他の男と仲良くしたら絶対許さないから。俺だけに一途でいやがれ。」
「うん。」
私が言うと琉は笑う。
琉は口は多少悪いけどちゃんと私を想ってる。
それを最近すごく感じる。
こんなに大切で愛しいのは琉だけなんだ。
たまに意地悪でも好き。