その手は気温のせいで熱いのに離したくなかった。
「海近いんだよな。海行かねぇ?」
琉に言われると私は頷いた。
海かぁ…。
「川端さんに連絡した?琉。」
「ばあさんも後でお参りに来るから。」
「二人にするの?」
「そういう事だ。俺、いいやつだろ?」
「いいやつねぇ。」
「俺よりいい男は絶対いないって。あー…アイス食いたい!」
「夏だから暑いよね。」
「でも今日は半端ねぇよ。夏休み並みだろ。」
「まあね。」
「海入るか。」
「えー?スカート長いのに…」
「暑いんだよ。」
「琉はうるさいもん。気温に関して。冬は寒い寒い。我慢しようよ?」
「俺は我慢が世界一嫌いだ。」
「はぁ…」
でも
我慢してるじゃん。
一つだけ。
でも言ったらキレるから言わないよ。
琉と私は海へ向かう。
海は墓地から歩いて10分くらい。
ハンカチで汗を拭きながらも二人で海に行く。
琉と海に行ったのは初めて。
私も琉も海には行かない。
私はカナヅチだし琉は海に行きたいと言うようなキャラじゃないから。
「わーあ…海久しぶり!」
少し歩いたら到着。
涙の音がよく聞こえるが人があまりいないため騒がしくない。
「わー…貝可愛い!」
私はサンダルなのにも関わらず海に着くとはしゃぐ。
サンダルだから砂浜は歩きにくいのに。
「おい、瑞穂。」
「あ、琉見て見て!やどかりいる!」
「瑞穂、ヤドカリは平気なのかよ?」
琉は私に聞く。
「可愛いよ?あ、蟹出てきた。」
「蟹なんか食用の豪華なのしか見た事ねぇや。」
「可愛いよ?蟹も。」
「可愛い?お前絶対おかしい!」
「何よ〜」
私が言うと琉は笑う。
「あー…海久しぶりで嬉しいなぁ。」
私は海を見つめながら言う。


