みんな明るい気持ちでいるわけにはいかない。
色々な思いを乗せ車は動き出す。
琉の温もりが手から伝わる。
私も琉も手をずっと離さなかった。
途中、花屋に寄り花束を買った。
買うと車にまた乗り進む。
花屋から目的地はそう遠くはなかった。
海が見える場所が目的地だった。
とても良い所。
天国の両親が安心して眠ってられるだろうな。
到着すると川端さんにお礼を言い、線香と花束荷物を持ち琉と車から降りる。
去年は一人だったが今年は琉が隣にいる。
空は6月なのに7月8月のようなじめじめとしてない真っ青な綺麗な青空。
暑い。
汗をかきながらも私と琉は歩く。
琉は珍しく無口。
えらそうな態度も何もない。
両親の墓の前に二人で着くとそれぞれ線香をあげる。
線香をあげると墓の前で手を合わせる。
私が終わらせても琉は私より長く手を合わせていた。
私は花を活けると、ひしゃくを取りに行き水を墓にかけに行こうと墓の前に行こうとした。
だけど琉を見て私はその場に立ち止まった。
「今日は挨拶に参りました。」
琉は墓の前で丁寧な敬語で話し始めた。
え…琉?
「俺は瑞穂の側にいて瑞穂をずっとずっと守りたいと思ってます。」
琉は真剣な表情。
琉…。
「だから許して下さい。絶対瑞穂を離したくないです。」
琉はただ話し続ける。
「瑞穂を絶対一人にさせません。いつか俺が立派になったら瑞穂と家庭を作ろうと思ってます。」
琉…。
「俺は本当に瑞穂が好きなんです。」
普段聞けない
琉の本音。
嬉しかった。
琉には聞いてた事を内緒にしなきゃな。
琉が話し終えると私は琉の所に行った。
聞いてなかったかのようによそおう。
ひしゃくで墓に水をかけると帰る。
「また来年来るね。私は今幸せだからね?」
私は帰る前に墓の前でそう言った。
帰る時、琉はまた私の手を握る。


