さっきの甘い琉はなんだったんだ。
でも
琉は正解すると優しい。
間違えると意地悪言う。
そんな教育だった。
〈ガチャ〉
「琉様。瑞穂さん。夕飯の時間ですよ。」
勉強が終わったのは夕飯時。
使用人に呼ばれ私と琉は部屋を出た。
私も琉も帰ったらすぐ勉強だったから制服のまま。
「続きは明日。今日は飯食ったら俺が風呂から上がるまで俺の部屋で待ってて。」
「うん。」
「俺が上がったら風呂入って俺の部屋で寝る。」
「えっ…マジで大丈夫なの?」
「まあな。」
「琉、絶対何もしないでね!」
「あ?」
「キス以外禁止。」
「辛いルールだな。でも大丈夫。瑞穂が赤点とったら瑞穂に罰が…」
「絶対赤点とらないから!」
「どうかな。ま、俺が教えるからな。」
「私、頑張ろ。」
テストが終わったら誕生日だしね。
楽しく幸せにやろう。
「味薄い。作り直せ。」
琉が食堂で料理人さんに文句を言う中、私はぼーっとして夕飯を食べる。
テスト、誕生日。
テストは嫌だ。
誕生日は幸せ。
でも
その二つの行事の前に両親の命日。
お参り行かないと。
いつも
その日が来ると胸がまだ少し痛むの。
だけど
ちゃんと毎年会いに行く。
夏は
いろいろな事がある。
痛みも幸せもみんなみんな夏にある。
この時期になるといつも複雑だ。
でも
今年は琉と付き合えた。
夏休みは旅行に行けるし。
楽しく幸せでいたい。
拓君の言葉はいまだに私の頭の中をよぎる。
拓君が辛い中…私は琉と幸せになろうとしてる。
どうして
みんなが幸せじゃないかな。
難しいんだろう。
それでも自分の選んだ道を進むしかない。


