――喜美子さんの部屋。
私は琉に怒られるのを心配しながらも喜美子さんと喜美子さんの部屋にいた。
「どうしたんですか?」
私は喜美子さんに案内されたソファーの上に座り聞く。
喜美子さんの部屋はアンティークな家具や小物がいっぱい。
もう73歳くらいなのに若くて綺麗でお洒落で優しくて…
私のお婆ちゃん的存在。
唯一喜美子さんが一番安心?できる人物。
琉はあんなだし琉の両親は冷たい感じがするし…
一番喜美子さんが温かいかも。
「掃除してたらこんなの見つけてね。」
喜美子さんは机の上に置いてあった紙を私に渡す。
………あ……
「懐かしいでしょ?」
喜美子さんは笑って私に言う。
げげっ…
小学四年の時、図工の授業で友達の絵を描く授業があった。
琉は私をかなりブサイクに描いて…
私はというと琉を悪魔にした絵にした。
琉が怖い顔をしてて頭と背中に黒い角と羽。
なんて絵描いてたんだ私は。
あの時は私が琉の家に来たばかりで…
辛かったのに琉のおかげで少しは楽になれた。
「瑞穂ちゃんと琉はお似合いよね。」
――えっ?
私は喜美子さんを見る。
「失礼ですけど、琉とは絶対恋仲になりたくありません…」
だって私に意地悪だもん…
嫌だもん…
「まだ少し先ね。」
「はい?」
私が言うと喜美子さんはクローゼットから何かを取り出しに行った。
何?
琉と私がお似合いなんて…
意地悪な琉と逆らえない私。
関係的にやばいよ。
SMだ…
付き合うなんて考えるだけでありえないよ。
私は喜美子さんが出してくれたジュースを飲む。
明日は琉の命令で出かけるだけ。
デートはありえない!
すると
「瑞穂ちゃん、これ。」
喜美子さんは私に紙袋を渡した。
…えっ…
なんだろ…


