「だから我慢できないかも。」
「堪えて。」
「はいはい。じゃあその代わりに命令なんでも聞いてくれる?」
「は?」
「俺を満足させろ。」
「は、はぁ?」
「それくらいしやがれ。拒否った反省で。」
「いつも命令なら聞いてるよ?」
「無理な命令も言う。」
「や、やだな!」
「わがままなんだよお前は。」
「なっ…」
「でも瑞穂は素直な方がいいな。」
「えっ……」
「俺も素直になるし。瑞穂も俺も辛くならないようこれからは素直で。」
「そうだね。」
「あのルール取り消しだな。」
「へ?」
「瑞穂が大学出て自立できるようになったら俺の家を出るって決めたじゃん。」
「うん。」
琉の両親に確かに私は言われた。
でも…。
「俺、瑞穂と付き合って終わりは嫌だから。」
「えっ?」
「あの家にいて欲しい。ずっとずっと。」
「琉…。」
「瑞穂が俺の家にいて俺はよかったと思ってる。じゃなきゃどうなってたのかな…俺ら。」
「そうだよね。私も来てよかったかも。辛いままだったのかな。」
あの時は私はぼろぼろで本当に不安で不安で…
「瑞穂がいなくなるのは嫌だったからよ。それに俺の言いなりになるなんて良い条件じゃん。」
「琉のお世話係は嫌だったけどね。でも琉には感謝かな。ありがとう。」
「今さらかよ?そうだ。感謝しやがれ。」
「えらそう…」
「えらそうじゃなくてマジで俺はえらい。」
「はいはい。でも今なら琉に素直になれるんだね。昔は琉にびびって泣いたりしてた私なのに。」
「そうだよな。瑞穂これでも少しは強くなったのか。」
「琉慣れしただけ。弱虫は変わらない。」
「だよな。おばけ屋敷ごときで泣いて子供みたい。」
「子供ですみませんね。」
「ガーキ。」
「琉に言われたくないんだけど。」
私が言うと琉は笑った。


