だけど
「でも俺が遊んでやるんだから俺が決めた場所な。」
………は?
「え………」
「だめとは言わせないし。」
琉〜
琉が行きたいとこ…?
大丈夫なのかな。
ってか…
それって…
「それってデート?」
「バカ?」
バカって…
何ドキッとするかなぁ。
だけど
「まあ、明日付き合って俺の言いなりにしてくれれば…」
「言いなりにすれば?」
私は琉を見る。
「ご褒美あり。」
「えっ…ご褒美って何?」
「内緒だ。」
琉は笑って言った。
ドキッ…
琉が笑うと調子くるうなぁ。
私は掃除を続ける。
あとは窓拭くだけかぁ。
その後は琉に夕食作る。
あー…掃除は良いんだ。
でも
琉は味にうるさい。
どんな料理人にでも味が濃いだの薄いだのはっきり言う。
全く…
わがまま琉。
絶対私も言われる。
嫌だなぁ。
どうしたらこんなわがままなお坊ちゃまに育つのかな。
お坊ちゃまはみんなこう?
それとも琉が特殊?
掃除が終わると私は部屋を出る。
毎日一番一緒にいる琉。
私にとって琉は
幼なじみ?
家族?
……ご主人様?
琉は私に意地悪で。
私は逆らえなくて…
琉は意地悪だととことん意地悪。
いつもハラハラドキドキだ。
そんな琉に惚れる人達がよくわからない。
そして
そんな琉にたまにドキッとする私は?
琉のせいで
人生めちゃくちゃになっちゃうよ。
俺一番な琉にだけは絶対…ぜーったい惚れるか!
私はそう思ってた。
広い廊下を歩き、私はキッチンに向かう。
すると
「……瑞穂ちゃん。」
私は呼ばれ、振り向く。
「き、喜美子さん!」
琉の御祖母様の喜美子さんが私に声をかけて来た。


