〈ゴンッ〉
………いったぁ。
私は爆睡してた。
でも
琉に叩いて起こされた。
な、何…?
私は目を覚ます。
「おい、着いたぞ?」
目の前には琉の顔。
わわっ……
「は、はい…」
「ふっ…マヌケヅラ。」
「なっ…」
「タメ禁止。」
「はい。」
琉は意地悪だ。
ついタメ口になっちゃうし。
いけないいけない。
車を出ると見えるのはただ大きな広い家。
ベルサイユをイメージしたのかってくらい広くて大きく立派な高級な家。
庭は広く、琉のお母さん…つまり奥様が愛用のバラばかりが咲いている。
門から玄関のドアまでは本当に遠い。
駐車場には高級車だらけだし。
門はカードキーがないと入れない。
私はこの家に小学四年生の時から住んでいる。
みんながイメージするお金持ちの家のまんまだ。
全部、全部。
メイドさんいっぱい、料理人いっぱい…
家具などみんな高価な物ばかり置いてある。
部屋もいっぱいで来たばかりな時、私は迷った。
床は合理石、天井には立派なシャンデリア。
家は因みに二階建て。
家に着けば私はすぐに着替えに行かなければならない。
部屋は私専用がきちんとある。
琉の奴隷…じゃなくてお世話係の仕事は家が本番だ。
服はやはりメイド服。
他のメイドさんと同じ衣装だけど、仕事はメイドさんと違う。
仕事は琉のお世話係のみ。
琉は一日で一回も命令をしなかった事はなかった。
そんな仕事が6年続いてる私。
私は家に入るとすぐ部屋に行く。
着替えたら琉に何命令されるのかな。
毎日どこでもハラハラドキドキ。
みんなみんな琉のせいだよ…
琉のせいだ…
意地悪でむかつく幼なじみは
私のご主人様です。


