「行ってらっしゃいませ、琉様…瑞穂さん。」


高級車で学校に送り迎えされるのが私の日課。



でも


「行くぞ、瑞穂。」


「はい…」


ムカつく俺一番な坊ちゃまといつも一緒!


登下校も家でも!


私は川上瑞穂。


高校一年生。


まあ、どこにでもいる普通の女の子だと思う。


でも


私の隣にいるうざい



――三条琉。


見た目がかっこよく、スポーツ万能、勉強も得意、大会社の社長の息子。


だからモテるんだけど…



「おい!命令だ。」


――ビクッ


またかい。



「俺の荷物持て!」


超…自己チュー…


えらそうな態度!



そんな彼は幼なじみで私のご主人様みたいな…



まあ、逆らう事がなかなかできないってわけで。


「はい。琉様。」


私は琉の荷物を持つ。


「おい、学校で琉様はやめろ。おかしい。」


「は!?」


「とにかく琉でいい。」



こんな自分一番なやつに何年私は振り回されるんでしょうか。









「おはよう!」


「おはよう!」



――私と琉は学校に着くと教室に入る。


「あ、琉君おはよう!」


クラスの女子は私達が入ると言う。


なんでこいつモテるかな…


私は


琉を見ながら思う。




確かに見た目はイケてるかもだけど…


「おうよ。」


琉は女子に言うと友達の所に行く。


性格がやばいの…彼は。



私も友達の所に行く。


「あ、瑞穂おはよう!」


「おはよう。」


「また琉君と仲良く登校?」


「仲良くって…違うから!」


「いやいや、同じ家にいて何もないわけ…」


「だ、誰があんなの…」


ありえない!!


「とか言って…顔赤いよ?」


「えっ…」


琉は幼なじみで私に命令ばかりするやなやつなのに!


好きとかありえない…


ありえないよ…