花散らしの雨

なぁ、美輪今、さり気に後押ししてくれたよな。

俺の、とうに諦めた右手の復活を。


それは、ただ『元通り』を希望したんじゃない。


絵が好きなら使うよな?右手を……



そんな事、言われた事なかった。

考えた事なかった。


「おーっはれにもどったよー」



美輪につられ、俺も軒下から中庭へと踏み出す。

暖かな太陽の光り……


雨粒に照らされた芝生。


ああ、これも描いてみたい。



「桂っ何ぼーっとしてんのー?!」


美輪は……




『それもキレイの一つだと思うの。自然の流れっていうの?それに雨の後は花びらのじゅうたんが出来るんだよー』


あの『花散らしの雨』の話を聞いた時言った、美輪の言葉。


まるで節理を受け入れてる様な感じ。


おまえは……

おまえも、何かを受け入れてたのか?





「美輪、おまえ…なんで絵を見に来なかった?」