花散らしの雨

「だって全然ちがうじゃないあの絵……桜っ!桂の絵とあの絵はにてないよ!!」


病室に響いた美輪の声。


「…あの絵?」

倉敷がきょとんとした顔をする。



「あのね、実はお兄ちゃんに……」

「…っ美輪」

呼び止めたのは俺だった。
ちょっと焦った感じになってたかも。


……少し、間が欲しかった。



美輪、あの絵と全然違うって…それって駄目だって事か?
やっぱりあれは…下手なのか?
美輪が今まで言ってくれたあれは、ただのフォローとか?

情けねぇ…


「小学生のくせに…」



「桂?」

俺は踵を返して病室から出た。
なんか、絵の違いを説明する気もならなかった。

俺は自分ではその事を、乗り越えたつもりでいるから。

「桂!!」


「……」

「…行っちゃった」

「……美輪、蘇芳追い掛けて謝ってきな」

「え?」

「なんで美輪が蘇芳と知り合いか知らねーけど、今のあいつの絵を知ってるんだろ?」

「う、うん」


「あいつ、利き腕を事故で傷めたらしいから。そりゃ絵も違くなるさ」