花散らしの雨

そこには花瓶を両手で抱える美輪が居た。


花瓶にはマーガレットの花束が活けられている。


「な、なんで桂がここに…?!」

それは俺のセリフだ。

目を丸くして俺を見る美輪。

あのウェーブの髪、ワンピース、やけに整った久しぶりの顔。

やっぱり、妖精じゃねーじゃん…

頭の隅でそう苦笑した。


俺は美輪を見かけたというちょっとした興奮と、軽く走った事で少し息があがっていたが、気持ち冷静に病室を見る事が出来た。


美輪は花瓶を持っている。

ここはさっきの大部屋と違い個室だ。


ひとつのベッドがある……


そこには花瓶の花が送られたんだろう病院の患者が、上半身を起こして座っていた。


……あれ。



「……え」



美輪に似ている。


いや、それはおいといて…


こいつは……







「倉敷じゃん……」


「おいおい久しぶりだな、わざわざ見舞いに来てくれたのか?」