花散らしの雨




4月10日――



朝には大概の雨だったそれが、昼頃には巨大な雷雲を引き連れだし、怒涛の大降りとなっていた。

春の集中豪雨。


それが、花散らしの雨の正体――




勿論外に出る事は必死。
体育も中止。
傘なんて役に立たないだろう。

廊下は普段よりも薄暗い中電灯色がいやに濃い。


教室の中でぼんやりと色んな事を考えていた。

雨で視界が開けない窓の向こう。

叩き付ける雨粒とか、桜の花、木、傘…

美輪の事……



雨は下校時刻になってもまだ音を立てて降り続いていた。


「今年も桜は今日で終わりですねえ」

下駄箱近くで化学教師がそう言っているのが耳の端で聞こえた。