「桂、ほんとありがとね…」
「?」
俺は美輪に改まって礼を言われる様な覚えはなかった。
「そりゃ何に掛かってるんだ?」
「あのねっきっとあたし一人じゃここに居ても…ダメだったと思うの」
美輪が見上げた空は青く、桜色が枠を組んでいる。
「一人で考えても…桜見ててもきっと分かんなかった。でも桂が絵を描いていたから…」
きゅっと美輪は振り返って、微笑んでくれた。
その頬は綺麗な桜色をしていて。
「あたし、少しつかめた気がするの。キレイだっていう、感動を」
舞う、小さな花びら達。
出会ったあの時みたいに。
「桂の完成した絵を見たら…きっとそれはさいこーちょうなんだろうけど」
楽しみはとっとくね。
明日、絵を見に来るから。
もう…さいごかもしれないから…
「せかしちゃってごめんね」
思い過ごしかもしれない。
美輪が泣きそうな顔をしている様に見えた。
笑っていたはずなのに。
「じゃあね、桂っ」
美輪はそう残して…
俺の前から去っていった。
春風の様に俺の横を走り抜けた それは…
一陣の、桜。
美輪の姿は桜に阻まれて…もう見えなかった。
この日以来、俺は美輪に会っていない。
何故なら…
これを理由とするなら…
俺は非現実と向き合う事になってしまう。
「?」
俺は美輪に改まって礼を言われる様な覚えはなかった。
「そりゃ何に掛かってるんだ?」
「あのねっきっとあたし一人じゃここに居ても…ダメだったと思うの」
美輪が見上げた空は青く、桜色が枠を組んでいる。
「一人で考えても…桜見ててもきっと分かんなかった。でも桂が絵を描いていたから…」
きゅっと美輪は振り返って、微笑んでくれた。
その頬は綺麗な桜色をしていて。
「あたし、少しつかめた気がするの。キレイだっていう、感動を」
舞う、小さな花びら達。
出会ったあの時みたいに。
「桂の完成した絵を見たら…きっとそれはさいこーちょうなんだろうけど」
楽しみはとっとくね。
明日、絵を見に来るから。
もう…さいごかもしれないから…
「せかしちゃってごめんね」
思い過ごしかもしれない。
美輪が泣きそうな顔をしている様に見えた。
笑っていたはずなのに。
「じゃあね、桂っ」
美輪はそう残して…
俺の前から去っていった。
春風の様に俺の横を走り抜けた それは…
一陣の、桜。
美輪の姿は桜に阻まれて…もう見えなかった。
この日以来、俺は美輪に会っていない。
何故なら…
これを理由とするなら…
俺は非現実と向き合う事になってしまう。



