花散らしの雨

それにしても美輪はよく喋る。

俺が集中してようがお構い無しに、これってこうだよねとかあれ何とか言ってくるから、なんだかんだで答えている自分がいるわけだ。

自称でもせめて妖精ならもう少し幻想的な感じでいられないものかね。

……いや。


すでに幻想的なあいつなんて想像出来ない。笑える。

黙っていればなんとやらとは、まさに美輪を形容している言葉だ。

外見も印象的なはずなのに、それを上回る性格の持ち主だ、あいつは。

ここ数日、あいつはずっと、

「絵のジャマはしないからー」

と言って俺の横に居座っている。

直球で、つまり建前が無くて、いいはいい、悪いは悪いと言う。

ほんと元気な子供。



けど…たまに、たまに…桜を見上げる顔が大人びてるっつーか…淋しそうなんだよな…


その顔の時、美輪何を思ってるんだろ。


あの、「感じる事と考える事」に繋がっているんだろうか……




4月5日…

4月6日……