お試し恋愛


「俺、もう出るけどどうする?」

スクバを背負いながら首だけこっちに向けて聞いてきた。

どうするって……?何が?

首をかしげて理矩の方を見つめると

「だーっ、だからさ?」

なんで分からないの?とでも言いたげに、髪の毛を軽くクシャっとさせてこっちに近づいてきた。

「うん?」

疑問系で投げかけられた言葉に、あたしも疑問系で返す。

はぁ。とため息をついてから

「自転車、後ろ乗せてあげてもいいけど?」

少し照れくさそうにう後ろ髪を触りながら言う理矩

「えっ……、いいの?」

発せられた言葉は予想外で、でも嬉しくて

思わず声が上ずってしまう。

「……まぁ、でも重かったら即降ろすか「ぃやっったー!!」

「ちょ、おい。」

理矩の言葉を途中で遮った事で多少暴言を吐かれたが、そんなことは今はどうだっていい。だって、今は理矩が神様に見えるから。

「俺が神様に見えるとか、分かってんじゃん」

え?

「嘘!理矩、超能力者!」

自分の心の中が読まれたかと思い、目を丸くさせて叫ぶ

「……は?」

馬鹿かとでも言いたげな顔をして、玄関に向かって行った

「あ、待って。いってきまーす!」

お母さんにそれだけ言い残し、

急いで理矩に続き家を後にする。