お試し恋愛


今度ははっきりとした口調で、

あたしを強く抱きしめながら言った。


「ぇ……。嘘……」

人生で始めてされた告白。
もちろん、嬉しくないはずが無い。
でも、あたしは蓮弥のこと。どう思ってるんだろう。
……だって、今日会ったばっかりだもん。
そんなんじゃ、わかんないよ。

「ごめん……まだ、蓮弥のこと……よく分かんない」

何ていったらいいのか分かんなかったから
言葉を見つけて途切れ途切れに発する。

ゆっくりと離された体。

「……そっか。そうだよな、ごめん。」

そう言った蓮弥の顔は、悲しそうで。

「い、いや。あたしこそ……ごめん」

何故かあたしまで謝ってしまった。

「いや……」

なんだか気まずくなって沈黙が続いてしまう。
……何とかしなきゃだよね。

「あの……返事。今度でいい、かな?」

もっと蓮弥のことを知ってからじゃないと、返事は出来ない。
そこらへんは、私。ちゃんとしてる気がする。

恐る恐る蓮弥の方を見ると、蓮弥はあたしの方を見ていなくて、視線は足元にあった。

「……うん。了解」

そう言った蓮弥は、少し笑っていた。