時計を止めて時間を見るとまだ7時で
家を出るまでにはまだ1時間もある。
いつもならまたベッドに入るところだけど
「たまには早起きでもしてみるかっ」
ということで今日はしっかりと寝癖のついた髪のまま1階のリビングへ。
リビングまで行くと、お母さんがちょうど朝ごはんを食べ終えたところだった。
「あら、莉歩。今日は珍しく早いのね」
目を丸くしてお母さんはこっちを向いた。
「珍しくなんかないもん、あたしだって早起きできるんだから」
なんて、少しムスっとして言ってみせる。
「あっそ、早く顔洗って来なさい」
あたしは言われた通り洗面所へ。
╼╼ジャー
冷水を勢いよく出して、バシャバシャと顔を洗い、タオルで顔を拭く。
「ふぅー」
目の前の鏡を見て、ふとさっき見た夢を思い出す。
╼╼╼オレンジ色に染まる彼の髪。
私の腰に回る、彼の手。
お互いの吐息を感じるほど近づく2人の体。
あと1センチほどで唇が触れそうな距離╼╼╼
「っっ///」
想像して、思わず顔が赤くなってしまう。