送信しようと、送信ボタンに指を運んだそのとき。
ドンっ
「キャッ」
バサッ
「痛~っ」
携帯に気をとられて前を見ていなかったせいで、すれ違いざまにぶつかってしまったみたいだ。
「あっ、ごめん。大丈夫?」
そう言ってしゃがみ、あたしに手を差し伸べてきたのは
見た事のない男子。でも名札の刺繍の色から同じ2年生だと分かる。見た目を一言で言うと……チャラい。180センチはありそうな身長で、モデルみたいにスラっとした長い脚。髪の毛は茶色く染められていて、太陽の光が当たるとさらに茶色く見える。第2ボタンまで開けられたワイシャツからは程よくついた筋肉がちらちら見え隠れしている。整っている綺麗な顔からして彼はモテるのだと、初対面のあたしでも分かるほど。
「あ、こっちこそごめん。大丈夫だか……っ」
そう言って立とうとしたが、転んだ時に足をくじいてしまったのか、足に激痛が走り、立つ事ができなく、またペタンと座り込むしかなかった。
「っ、莉歩!大丈夫!?足、痛いの?」
と優姫が目を潤ませながら駆け寄ってきた。
「え、マジ!?うっわ~。本当にごめん!」
手を顔の前で合わせて謝ってみせる、彼。
ん……この人、どっかで……?
と思ったのは一瞬で、「乗って」という彼の声がしたと思ったら
「きゃっ」
いつの間にか背中に乗せられ、おんぶされている形になっていた。
