山梔子は案の定持て囃されて、男も女も山梔子に夢中だった。 相変わらず不思議な雰囲気は漂っているが、友好的で優しい性格だ。 昼休みの教室は、山梔子の話題に染まっていく。 気付けば教室中が彼女の話をしている。 よくもまぁ、飽きないものだ。 この教室という世界で、学校という地球で、須磨だけがただ、ぼんやりと眺めるだけの傍観者だった。