やはりというべきか転校生は、須磨の隣へ座り、名前を山梔子 吉乃(クチナシ キツノ)といった。
山梔子は須磨へ手を差し出し、握手を求める。

「よろしくねお隣サン。名前は何て言うの?」

どこか違和感のある、わざとらしい喋り方だった。
笑顔、口調、いや存在の全てに違和感を感じた。

「……須磨 苺花」

軽く手を握る。
山梔子の手は、冷たかった。