教科書は明日配られるというわけで、本日は教科書無しの私です。授業が受けられないのは困るので、隣の席の子…たしか宮田くん、その子に見せてもらうことにした。


少し、前の学校と進み具合が違っていたので、後でユイちゃんにノートを借りよう。


時間はドンドン過ぎていき、昼休みとなった。この学校は例に漏れず弁当のようだ。購買や学食もあると聞いたので、小銭を持って購買へ向かう。


「ふぅ、メロンパン確保!あと米粉パンも」


「おぬし、やるな……」


「何が?」


「いや、どう見ても戦場………」


「慣れだよ、慣れ」


「今日来た子に言われても」


もぐもぐとパンを食べながら廊下を歩く。ユイちゃんは弁当らしく、今日は教室で食べようと言われた。


「こら、そこの子」


あと少しで教室、というところでふと私は呼び止められた。ターンして後ろを向くと、無駄にキラキラとしたオーラを放つ男子生徒。模範的な制服の着こなし、柔らかい笑み。一発で優等生というのがわかった。