しばし呆然としている私に、神城は冷たい視線を向けてくる。


「どうせお前も、魔王が悪だと思ってんだろ?」


「っ、当たり前よ!殺し合いをなんとも思わないなんて、最低じゃない!」


「……ははっ、そう睨むなって。それと、そこまでにしとかないとユイが悲しむぜ?」


ハッとしてユイちゃんを振り返ると、唇をかみしめてうつむいていた。私の視線に気がつくと、すぐに無表情になって神城にかしずいたけど、その様子は動揺してるようにも見える。


(そっか………。ユイ、ちゃん。神城の配下っていうのだったんだよ…いけない、傷つけちゃった)


「その、ユイちゃん……ごめん」


「いいのよ、別に。気にしないでっ!貴方も人間だものね?私だけの判断じゃダメだけど、その、どうしても嫌だったら協力、しないでも大丈夫だから……」


私の言葉に、ユイちゃんは明るく返してくれた。それがなんとなく申し訳なくて。私はそのとき決意した。


「決めた。私、協力するよ」


「は、協力だと?それが何を意味するのか分かって言ってんのか」


「ええ、もちろん分かってる」


「聖者を…遊斗を殺す手伝いをするって言ってるのと同じだぞ」


「大丈夫よ。私は誰も殺さないし、貴方にこれ以上そんなこともさせない!」


ドンっ、と胸を叩くと私は言い張った。


「私はっ!神城、貴方を人として正しい考えを持つように更生させて見せるわっ!!」