「協力者というものは、適合する型の属性にそれなりの力を分け与えたり、戦いになったとき補助をしたりする人間のことです。めったに見つかりませんが、一度味方につければ非常に有利になるというものです」


七海さんが解説を入れてくれた。そういえば、私は協力者かもしれない、と言われていたんだった。


もちろん、自分の正義感から考えて勇者(聖者?)の協力者だろう。魔王は敵、更生させるべき敵。初めてあったのに、百年の敵を見るような目で私は神城を睨んだ。


「では、適合する型を探しましょうか」


「どうするんです?七海さん」


「それは簡単ですよ。呼びかけるだけです。適合する者同士は、意識しているときに引き合う仕組みとなっているんですよ。たとえば、クレハ、こちらへおいで」


「…はい」


全てから距離を取っていた、双子のうち女の子の方が早足で七海さんの傍へと向かった。よしよし、と女の子の頭を撫で、次にこちらを見る。


「トキさん、こちらへおいでなさい」


「嫌ですね。お願いされても行きとうございません」


「このような感じです」


「説明に無理やり感が溢れますが、なんとなくわかりました」


そんな簡単なことで適合者を決めていいのか、と思ったが意外と適当な世の中だ、世界の危機に関わっていても必要以上に凝らないんだろう。


もう驚きの連続で、とりあえず与えられる情報を受け止めることが精一杯の状態だった私は、深く考えず頷いていた。


「では、遠野さん、こちらへ」


「あ、はぁ」


なんのためらいもなく、私は七海さんへと歩き出す。


さすが私の正義感。こんなときでも私は正義という立場に立てるのね。


ふふふ、とにやける頬を自重しようともせず、七海さんの伸ばす手に触れた。