「あっ」 棚に手を伸ばして。 私は動きを止めた。 同じタイミングで伸びた腕。 スーツの袖口から見えた指先が微かに触れた。 「最後の1個なの!譲って」 どうしても、食べたかった豆腐。 触れた指先よりも、豆腐。