「でも、鷹宮くんはインターハイ、大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫、大丈夫」
そうは言っているが、やっぱり心配になってしまう。
実行委員は誰でも任せられる仕事だけど、バスケ部のエースというポジションは誰でも務められるものではない。
実行委員という役割が重荷になるようなら、やる気のある彼には悪いが、変わった方がいいと思う。
「バスケは大丈夫だから。また小鳥遊と一緒に実行委員やりたかったんだ」
「………………」
ああ、女子達の視線が痛い。
やっぱり、根本的に誤解を招きそうな彼の言動を正さないと意味がないのかな……。
「ふふ、とんだ殺し文句ね」
唯一、未桜だけが楽しそうに笑っていた。
……人事だと思って。
そんな意味を込めて、未桜に恨めしげな視線を向けた。
「そんな目で見ないでよ。これでも応援してるのよ」
「誰を?」
さっきから未桜との会話が噛み合わないと思っているのは、私だけだろうか。

