叶わぬ戀をした






鷹宮くんとの距離が縮まった様に感じたあの日からというもの、今までは全くと言っていいほど関わりの無かった鷹宮くんとも一緒にいることが増えた。







「そう言えば、もうすぐ文化祭ね」




何とも言えない表情でそう切り出した未桜に、私もそうだね、と返す。



もうすぐと言っても、一ヶ月後だけれど、この高校は毎年この頃から準備に取り掛かる。



ちなみに去年、私はこの文化祭の実行委員を担当した。







「ということは、次のHRは文化祭についてってことね」




「そうだね」




恐らくは未桜の言っている通り、次の時間、4限目のHRで文化祭のクラスの出し物とそれぞれの係、実行委員を男女1人ずつ決めるんだと思う。







「実行委員なんて面倒な仕事ばかりなんでしょ?」




未桜が面倒そうにそう言う。



そう言われてみると確かに面倒な仕事ばかりだったかもしれない。





放課後、毎日残るのは当たり前。



時には日々の休み時間や休日さえも削る。





クラスの代表として活動するわけだから、それくらいは覚悟しないといけないけれど、確かにハードな1ヶ月になることは間違いないだろう。



それを知っていて立候補する人は男女共にほとんどいない。



だから、今年も自ら立候補する人なんていないだろうと思っていたのだけれど……。