翌日、鷹宮くんと約束した通り、私はいつもより少し早めに家を出て登校した。
体育館に近付くにつれて聞こえてくる女子の黄色い声。
最初は怪訝に思っていたけれど、体育館に足を踏み入れてみれば聞こえてくる黄色い声。
「…………すごい」
第一声はそれだった。
2階のギャラリー席には数え切れない程の女子生徒達。
それも彼女達が叫んでいる名前は鷹宮 夏葵、彼だった。
彼女達の視線を追う様にして、体育館フロアに視線を向けると、コートでボールを追って走っている鷹宮くんを見つけた。
相手がドリブルするボールを華麗なテクニックで軽やかに奪うと、鷹宮くんはそのまま3ポイントゾーンからゴールに向かってボールを投げる。
シュッとボールがゴールに入った瞬間、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
その刹那、ギャラリーの女子達がより一層、黄色い悲鳴を響かせた。
よくもまぁ、これだけの声が出せると思う。
彼女達の声帯はどうなっているんだろう、とさえ思った。
もう一度、フロアを見ると既に彼等は練習を終えたらしく、汗を拭きながら部員同士で喋っている。

