「理事長俺達の知り合いって言ってたけど…誰だろうな」

あたし達は今琴吹高校に向かっている
お母さんの言った通りあたしは男装をしていて、茶髪のウルフヘアにブラウンのカラコンって格好だ

腰まである長い黒髪をウイッグに隠すのは大変だった

「さぁ?引っかかるのは琴吹って名前がお母さんの旧姓と同じってことだよね。なにか関係があるのかなぁ?」

「そうだな…ま、着いたら分かるだろ」



その頃家では…あげはのお母さん達がこんな話をしていた

「ちょっと意外だったけど、素直に従ってくれて良かったわ」

「あぁ…あの高校で少しでも傷を癒すことができればいいのだが…
しかし、これで本当に良かったんだろうか」

「いいのよ、家でじっとしていてもあのことを思い出してしまうだけだもの…」

………