……。


その後、打ち上げ終了後の混雑を避けるために移動した私たちは、駅前に居た大雅さんと朔也さんに会うことが出来た。

と言うか、「駅前で待つ」という約束だったらしい。




「朔也さん!!」


数時間ぶりに会った朔也さん。

その懐にわぁっと飛び込むと、朔也さんは凄く凄く驚いた顔をした。
けれどすぐ、いつもの優しい笑顔で私の髪を撫でる。




「真由。 俺はやっぱり、龍輝と笑い合ってる真由が好きだ」




…屈託無い、晴れ晴れとした笑顔。
その瞳が龍輝さんを見つめ、私からそっと離れていく。


「色々ごめん。 でももう大丈夫」


龍輝さんを見つめ、そして放たれた言葉。

それを聞いた龍輝さんは小さな笑みを浮かべて「そうか」と呟いた。




「んじゃ、何か食いに行くか!!」


朔也さんの肩にガシッと手を回して歩き出す龍輝さん。

朔也さんは嫌がることなくそれを受け入れて、そしてまたいつもと変わらない笑顔を見せた。


…大丈夫。

朔也さんがそう言ったから、だから私も微笑んで二人の後を追った。






「おいコラ龍輝っ!!
てめぇの荷物はてめぇで持ちやがれ!!」


…大雅さんの怒ったような声に、龍輝さんは「頑張れ大雅!!」と満面の笑み。

そのまま朔也さんと歩き続け、駅の中へと入っていく。




「誰のおかげで会えたと思ってんだよ馬鹿龍輝ーッ!!」


そんな叫び声は花火の大音量にかき消され、大雅さんは悔しそうな顔で二人のあとを追っていった。