「そりゃ、好きっちゃ好きだけどさぁ、いつかは離れるかもなぁとは思ってた」


うぅ…そうだったんだ…。

大切な思い出の言葉が、冗談半分…。
……はぁ…、ショック…。




「…私のこと本気じゃなかったのにみんなの前で宣言したんだー…信じらんなーい…」

「あはは、ごめん」


……しかも、「本気じゃなかった」を否定してくれないし。

それはそれでまたショック…。




「…私、龍輝さんのこと嫌いになるかも」

「それは困るなぁ。
お前のこと好きな俺の気持ちはどうすんだよ?」

「…そんなの知りませんよ」

「あはは、ひでぇなぁ」


……ひどいのは龍輝さんだと思うけどね。




「…龍輝さんと居ると、疲れます」

「でもそんな俺を選んだのはお前じゃん」


う…そう言われると、否定出来ない…。

でも、そうだよね。
龍輝さんと一緒に居る道を選んだのは、私自身なんだよね。


龍輝さんがどんなに変な人だろうと、それを選んだのは私なんだから…なんて言ったら怒られそうだけど。

だけど私はきっと、そんな龍輝さんが好きで一緒に居るんだよね。


「……でも、いつかは愛想尽かせて離れるかもしれませんけどね」


そんな風に言った私を見る龍輝さんは、なぜか凄く楽しそうに笑ってる。


「愛想尽かされないように、テキトーに頑張るよ」


そう言いながら、優しく優しく私の頭を撫でた。