なんで、こっちを…。
龍輝さんが、私たちのことを話したの…?
「………」
…少しの沈黙が続き…、そして涼太くんは、私たちを見た後にふっと息を吐いて立ち上がる。
それから龍輝さんに何か言葉をかけ、そしてどこかへと行ってしまった。
……これで、終わったの…?
「アイツ、何話したんだろうね?」
ベンチに座ったまま動かない龍輝さんを見て大雅さんが言い、髪の毛をかき上げる。
「龍輝ぃ、もう終わり?」
そう声をかけると、龍輝さんは「あぁ」と言って、ひらひらと手を振った。
「…呆気ねー。俺の出番無しじゃん」
「…大雅が出たら余計グチャグチャになるだろ。
て言うか、グチャグチャにするだろ」
「うわ、朔ちゃんヒドイなぁ。
俺がそんな奴に見える?」
「見える」
……そんな風にギャーギャーと騒がしい二人に対し、ベンチに居る龍輝さんは小さな笑みを見せた。
「真由」
そして、私を呼ぶ。
「……んじゃ、俺ら帰るから。
あとは龍輝とテキトーに仲良く頑張りな?」
「えっ…帰っちゃうんですか…!?」
「そりゃあ、邪魔者だしね?」
なんて言いながら、大雅さんは朔也さんの肩に手を回して歩いていった。
…まぁ、数秒後に朔也さんからパンチをもらって離れて歩いていったけど。
「………」
…二人が行ってしまったから、ここに居るのは私と龍輝さんだけとなった。



