「…よぉ、元気そうだな」
そう言いながら小さく笑い、隣に座るよう促す。
…龍輝さんと朔也さんは木陰から涼太くんを窺っていたらしい。
涼太くんはそんな二人には気付かず、少し向こうのベンチに座ってボーッと空を眺めている。
「…すぐ駆けつけてやれなくて、ごめんな」
涼太くんを見つめながらの言葉はなんだか凄く寂しそうで、切ない。
…だけど大雅さんの言った通り、妙に冷静と言うか…冷たくも感じる。
……普段の龍輝さんならきっと、こんな風に言ったりしない。
こんなところから窺ってるだけじゃなくて、きっと涼太くんに詰め寄るはず。
…なのに龍輝さんはそこに座ったまま静かに涼太くんを見ているだけで、感情も読み取れない…。
“らしくない”という言葉がぴったりだ。
「………」
「………」
…ただ静かに、時間だけが流れていく。
そして数分後、
「…あちぃな…」
ポツリと放たれた言葉と共に、龍輝さんが立ち上がる。



