「先輩のことも元カノのことも、今はもうどうでもいい」
…唇が首筋へと移動していき、柔らかな髪が鼻をくすぐる。
「今日は俺と一晩中一緒だけど、どうする?」
「ど、どうって…」
「キスだけで終わりたい?それともその先に進みたい?」
「…っ……」
き、聞き方がストレート過ぎるんですけどっ…!!
「あ、あの、私っ…着替えとか全然何も持ってないんでっ…何か買いに行きません…!?」
咄嗟に離れてそう言うと、龍輝さんはふっと小さく笑って髪の毛をかき上げた。
「じゃあ、出かける準備してくるから待ってて」
ぽんぽん、と私の頭を叩いてから立ち上がり、部屋を出ていった。
ドキ ドキ ドキ....
ストレートな龍輝さんの言葉に、心臓の動きはいつまで経っても落ち着かない。
そうだよね…一晩中一緒なんだから、“そういうこと”を“する”可能性があるんだよね…。
いつもみんなと一緒だったから、今まで一度もそんな空気になったことが無かったけど。
でも今日は、ずっとずっと龍輝さんと一緒なんだ…。
うわ…どうしよう…。
今更ながら緊張してきたっ…。
「真由、行くよ?」
「あっ…はい!」
ドアの方から聞こえた声に大きく返事をし、すぐに駆け寄る。
龍輝さんは凄くラフな格好だけど、凄く似合ってて凄くカッコイイ…。
この龍輝さんと、ずっと一緒なんだ…。
「今日はマジで一線を越えちゃうかもな?」
「…っ……」
そんな言葉にドキドキは更に増していき、いたずらに笑う龍輝さんの顔をそれ以上見ることが出来なかった。



