……。


「…どうしよっかなぁ…」


…外に出たはいいけれど、何も予定は無いんだよね…。

しかも物凄く暑いし…。

こんな暑いとこに居たら、間違いなく熱中症になると思う。


だからショッピングセンター内の適当なお店に入り、雑貨や洋服なんかを見ることにした。




……。




あちこちのお店をフラフラと見て回っていた時、その人に出会う。


「………」


なんて言うか、その人は…、全然変わんないなぁ…。




「あれ、真由ちゃん。今日は一人?」


…服屋の店員のお姉さんと楽しそうに話してる…と言うか、店員のお姉さんを口説いてたらしいその人がいつもみたいに笑う。


「…何やってるんですか、大雅さん」


…ほんと、この人は変わんないなぁ…。

でもなんか、変わらない大雅さんを見たらちょっとホッとした。
本当に本当にちょっとだけだけどね。




「何って、服屋に来てんだから買い物に決まってんじゃん?」

「…買い物に来てる人が“仕事終わったら遊びに行かない?”とか言います?」

「あはは、聞こえてた?」

「そりゃあもうバッチリと」


…まぁ確かに、デートに誘いたくなるような綺麗なお姉さんだけどね。

その店員さんは私が登場したため、ニコニコしながら頭を下げ、別の場所へと行ってしまった。




「あーあ、せっかくデート出来るとこだったのに」

「はいはい邪魔してスミマセンでしたねー」

「って、全然謝ってる感じがしないけどね。
まぁ真由ちゃんでもいいや、暇なら俺とデートしよ?」


…真由ちゃんでもいいや、って…私はどんな存在ですか。

でもまぁ暇なのは事実だし…一人で居るのも飽きてきた。


「…お昼ご飯、奢ってくれるならいいですよ?」


だからそんな条件を付け、大雅さんと一緒に行くことにした。