「た、滝夜くんっ?俺、なんか変なとこあった?」
「いや、なんにも無いぜ。ただちょっと、な」


そう言ってまた爆笑しはじめたイケメン。


ちょっとってなんだよ、おい。その言い方めっちゃ気になるじゃねぇかよ。
分かったぞ、さては俺の好奇心を煽ろうとしたんだろ。
曖昧な言い方されると人間は気になって仕方がなくなるのですよ?
お前も人間だから分かるだろっ!



「そーゆー事だ。とりあえずクラスまで案内してやれ」


俺の肩をポンと叩いて、欠伸をしながら回れ右をする秋原。
痛い性格の俺の心境は未だ荒れたまま、歩きながらとりあえず自己紹介を試みた。


「俺は和泉 瞬。一応生徒会長です、何かあったら何でもどうぞ」
「何故敬語だし!お前サイコー」


そう言ってまたまた爆笑しはじめた。
だーかーらー!何だってんだよ?!


「独り言」
「は?」
「さっきからずっと言ってるじゃんか」


どうやら、さっきの『ちょっとってなんだよ』から口に出してたらしい。
うわぁ、俺、痛い。超痛いじゃん。


「ま、いいや。俺は滝夜 理玖、3年生。ちなみにお前と同じクラス。名古屋から転校してきマシタ」


…最後の「ました」だけ妙に声が大きかったのは気のせいだろうか。


つーか3年生?同級生?タメ?