しかし、『登校中に曲がり角で食パン加えた女子とぶつかる』なんてハプニングもないまま、いつもと変わらないクラスに直行しt「和泉!」


廊下を歩いている途中に、背後から低い声が。


振り向くとそこにはいかにも体育教師です、って姿の体育教師が。
「秋原先生じゃないですか」
普段ならば低血圧のため、数時間後にしか会えない体育教師兼担任の秋原が立って居て、少しばかり目を瞬かせる。


「どうしたんですかこんな早くに。いつもならホームルームの時間でも眠そうなのに」
少々失礼な事を言ってしまったかもしれないが(しかし本当の事なのである。)秋原は気にせず自分の横を顎でしゃくった。



そこで俺は、秋原の隣に居る人の存在に気づく。


第一印象、イケメン。
もうこいつ校内一、いや県内一イケメンなんじゃねぇの、ってゆうぐらいの整った顔立ちの男子生徒が立っていた。


「和泉、転校生の滝夜だ。しばらく面倒みてやってくれ」
「…はい?」



面倒みるだと?



「いやいやいや先生。俺必要ないと思いますけど…」


学年は分からないが、相手は男子高校生だ。
いくら転校生だとしても、面倒みるだなんて……


苦笑いしながらチラッとイケメンを見ると、俺をずっと見ていたらしくすぐ目が合ってしまった。
瞬間的に逸らすと、何故か爆笑された。


な、何故爆笑する?!